ハローこんにちは。
お盆中にコロナに感染した尾宅野リッカです。
これしきでは死なないとは分かっていたけれど、コロナウイルス、けっこう怖かった・・・。
と言うのも、小説版リングシリーズの内容を思い出して色々連想しちゃったからなんです。
小説の中では「リングウイルス」を担い手として「山村貞子」が量産され、世界の機能が停止するという超気味の悪いシチュエーションを迎えるんですよ~~~
でも、そんな世界に救世主が現れる展開になり、シリーズ全体を通して非常に面白いストーリーになっています👏✨
コロナウイルスが猛威をふるう今
「貞子め、ついにこっちの世界まで来たか・・・?」
とかわめいている熱狂ファンは私だけじゃないはずです‼
では、紹介させて頂きますね♪
Contents
小説版と映画版のリングシリーズはほとんど別モノ。という大前提
リングシリーズと言えば、日本の「ホラー映画」として名高いですよね!
映画版は、呪いのビデオで人が死んだり、貞子が蘇ったりするところまでは小説版と同じなのですが、
作品数が多くなるにつれてホラー要素がより強く加わっていき、貞子が這いずり回ったり、戦闘力が増したり、キャラデザがまるで楳図かずお風に変化したりなど、ちょっとよく分からない方向性になってきました😓
「ホラー映画」としのインパクトを考えるのならそれはそれで良いとは思うのですが・・・
映画版の貞子の暴走(?)は留まるところを知らず、特に2010年代に入ってからは映像技術に重点を置くにつれてストーリー性が乏しくなっていったので、「B級」という太鼓判を押す視聴者が多いのが悲しい現状です。
(↑ 2012年の「貞子3D」は、演出は迫力あったんですけどね💧)
ここで、小説をコンプしたファンとしては
「小説版は面白いんだゾ!」 と大声で伝えたい!
何度でも言いますが、小説版と映画版はほとんど別物なんです!
(とは言っても90年代に劇場公開された「リング」と「らせん」はほぼ原作に沿っていて面白いんですけどね。何かややこしくてすみません)
で、小説版と映画版の決定的な違いは何かと言うと・・・
ジャンルが「ホラー」だけでは終わらず、「医学ミステリー」や「SF」にまで拡張されているという点です!
実に、実に興味深いですよね!?💕
シリーズモノの小説は足並み揃えて続いていくのが当たり前なのに、それを覆すなんて!って感じですよね(✧Д✧)!!
【余談】貞子の格好について。
長い髪を垂らして白い服を着た姿(上図)は、完全に映画オリジナルの設定です。
小説の中だと、貞子の容姿は薄気味悪い「美人」としか書かれていません。
人差し指の爪の先が割れているのがチャームポイントらしいですよ。それはそれで恐いですね~。
小説版リングシリーズの作品をひとつひとつご紹介(感想あり)
前節で、小説版は『ジャンルが「ホラー」だけで終わらず、「医学ミステリー」や「SF」にまで話が拡張されていく』とお話しましたが、
より具体的に言うと作品ひとつひとつのジャンルが違うという手法が使われています💦
作品名とジャンルを刊行順に挙げると
- リング:ホラー
- らせん:医学ミステリー
- ループ:SF
- バースデー:短編集
(なお、続編として10年ほど後に「エス」と「タイド」が出たのですが、この2作品は蛇足感が強く、読む必要はあまり無いので今回は除外とさせて頂きます)
さらに注目すべくは、貞子の位置づけが「呪い」だったり「ウイルス」だったり「コンピューター上のバグ」だったりと作品によって違うということです!
では、刊行順にひとつひとつ見て行きましょう。
リング
- ジャンル:ホラー
- 主人公:浅川和行(週刊誌記者)
- 貞子の位置づけ:呪い
4人の若い男女が同時刻に別の場所で死亡するという事件が起こった。興味を持った浅川は事件の真相を追い始める。すると、死亡した4人の男女は一週間前にとあるビデオテープを見ていたことが判明。浅川自身もまたそのビデオテープを見てしまい、一週間後に死ぬ運命にたってしまった。この呪いを断ち切る方法(オマジナイ)を探すため、浅川は、自由に生きる大学講師の高山竜司と共に謎解きの旅に出る。そうしていくうちに、呪いのビデオテープは実は、山村貞子という超能力者が大きく関わっていることが分かり・・。
浅川は一週間後の死の運命から逃れられるのか!?
内容は1990年代に公開された映画版とほぼ同じです。
既に視聴済であらすじを知っちゃっていたためか、あまり恐怖を感じませんでした。
本作品では呪いの元凶である貞子はもう死んでいて、いっさい姿を現しません。回想にはたくさん出てきますが。
でも、ビデオテープによる貞子の真の狙い(リングでは一部しか明かされませんが)を知ると、自分を殺した相手を死に至らしめるだけの呪いがいかにマシか、と思ってします。
ある意味王道のホラー作品ですが、最後に「あの」どんでん返しアリです!
人類をもおびやかす貞子のストーリー、今ここに開かれたり!!
らせん
- ジャンル:医学ミステリー
- 主人公:安藤満男(監察医)
- 貞子の位置づけ:ウイルス
高山の同級生で監察医の安藤は、小さな息子を海で亡くした過去に縛られながら生きていた。そんな中、変死したばかりの高山の解剖を担当することになるが、ひょんなことから安藤も一連の変死事件を追うことになる。被害者達の死因はビデオテープによる呪いの衣をまとっていたけれど、実は「リングウイルス」によるものだったと判明。ビデオテープは既に消滅していたものの、リングウイルスは滅びず「突然変異」を着々と進めていた。一方、貞子は自己増殖機能付き(!)で現世に蘇り、世界には貞子大量発生の危機が訪れてしまう。変死事件の傍観者だったはずの安藤までもが貞子の手中にハマっていき・・。
安藤の運命は!? そして全人類の行き着く先は!?
らせんもリングと同様、劇場版と内容はほぼ同じです。
医者が科学的視点から呪い(非科学)を解明していくという、オカルト業界では「やっちゃいけない感」ある筋書きが違和感無く書き上げられています。
リングウイルス患者のDNAの塩基配列から暗号を読み解いていく場面があるんですけど、そこでアミノ酸翻訳の表(!)が出てきたりと、ミステリー要素が推理小説並みに本格的でした✨
それでもホラー感は健在で、安藤の目の前にいる女が貞子だと分かる瞬間は本当にハラハラでしたね(゚Д゚;)
最後は父親の安藤にとっては「ハッピーエンド」だったのかもしれませんが、「これで本当に良かったのか?」感が残り、なんとも複雑です。
ループ
- ジャンル:SF
- 二見馨(医大生)
- 貞子の位置づけ:コンピュータ上のバグ
二見馨は科学者の父を持つ医大生。馨と両親の絆は、一晩かけて森羅万象を語り合うくらいに深いものだった。だが、馨が成人した頃、世界では「転移性ヒトガンウイルス」が猛威を振るい出し、馨の両親や恋人まで感染してしまう。このウイルスは、かつて父親が研究していたコンピュータ中の仮想世界「ループ」が鍵になっていると予感した馨は、因縁の地・北アメリカの砂漠地帯へと旅立つ。すると、転移性ヒトガンウイルスの誕生には「ループ」の中に存在した人工生命の貞子や高山が大きく絡んでいることが分かり・・。すべてを知った馨にはある重大な使命が与えられる。
果たして馨は、大切な人々を、世界を救うことができるのか?
リングシリーズで唯一映画化されていない作品です。
まず、リング・らせんの人間界は、人工的に作られた「ループ」という名の仮想世界だったことに驚愕ですよね!しかもループ界は大量発生した貞子によって機能停止していたという・・・
だから貞子はこの作品中では「コンピュータ上のバグ」ってわけなんです。
今作ループでは、前作のリング・らせんで積み上げてきた世界観(呪いだのリングウイルスだの)が一変してSFモノとなるわけなのですが、私は4作品の中でループが一番好きです!
旅先の北アメリカでインディアンの幻覚が出てきたり、人のいない砂漠の奥深くに大規模コンピュータが眠っていたりとか、ファンタジー要素もあります⋆。˚✩
実は、馨が因縁の地に導かれ選ばれたのには、とても悲しい理由があるんです。
でも、終わり方は前向きでしたよ⸜( ´ ꒳ ` )⸝
バースデイ
- ジャンル:短編集
- 主人公:高野舞(高山の恋人)、遠山博(貞子の元恋人)、杉浦礼子(馨の恋人)
- 貞子の位置づけ:赤ん坊・若手女優・大量発生生物
誕生をテーマにした三話を収録。
「空に浮かぶ棺」:リングとらせんに登場する清楚系女子大生・高野舞の秘話。呪いのビデオテープを見て貞子を妊娠し、ひっそりと貞子を産んで衰弱死するまでに何があったのかが、明かされる。
「レモンハート」:貞子が生前に女優として属していた劇団「飛翔」の元同僚・遠山博。かつて貞子と愛し合った過去にひたりながら、劇団に起こったある事件を思い出す。そんな遠山の前に、生まれ変わった貞子が現れ・・・。
「ハッピー・バースデイ」:前作・ループのその後の話。馨の恋人である礼子の視点から馨の活躍が見られる、リングシリーズの完結作。そして今、馨と礼子の間にできた子供が生まれようとしていた。
短編集ながらも貞子の再生から消滅までが描かれたボリューミーな作品です。
「空に浮かぶ棺」について
何の罪もなく死んでいく舞がひたすら可哀想。なのであまり好きになれない話です。赤子の貞子よ、仮にも産みの母親に対してそりゃあ無いだろ~と言いたい。
結末はらせんで分かってしまっているし、リングシリーズ中でそんなに意味を持たない話なので、無理して読まなくて良いと思います。
「レモンハート」について
「リング0~バースデイ~」として映画化されましたが、内容はほとんど違います。
生前の貞子を知れるー!と思って期待したのですが、発言が少なくて小悪魔なところもあってやっぱり謎でした。そして昔劇団に起こった事件は実はまだ続いていて、貞子愛を何十年も引きずる遠山にも襲い掛かるというまさかの設定!
結末は遠山が望んだ形となったので、まあこれで良かったんじゃないかな、と思います。
「ハッピー・バースデイ」について
現実世界に残されてしまった礼子。馨の運命を研究者から聞かされた時は狼狽しましたが、馨のその後の活躍を知っていくうちに明るさを取り戻していきます。
一方、馨は因縁の相手・貞子との決着がようやく着きます。そして、礼子と馨の子供も誕生して、最後はすごく感動!「リングシリーズは元々ホラーだった」という事実を良い意味で忘れてしまうくらい、良い話でした!
小説版リングシリーズはオーディブルの読み放題対象(2022年8月現在)
私はリングシリーズの原作は全巻持っていますが、オーディブルの聞き放題対象にもなっているとのことで、2周目はオーディブルで読破しました👍
ストーリー自体はあまり複雑ではないので、音声だけで十分理解できます(暗号読解のところは少し分かりにくいですが)
なので、オーディブル会員の方はお気軽に聴いてみて下さい♪
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リングシリーズは性描写が多いので、聴くときには周囲に気を付けましょう。笑
コロナ療養中にリングウイルスの妄想を密かに膨らませていた熱烈ファンから、最後に
コロナの症状のマックス時に高熱で寝込んでいたとき、夢に大量発生した貞子が何度も出てきました😵
他にも
「ウイルスは異世界からもたらされたのか?」とか
「ウイルスは意志を持って突然変異するのか?」とか
妄想は広がるばかりでしたね💦
私にとってリングシリーズは、これほどまでに影響力が大きい小説なのです!
「ホラー」「医学ミステリー」「SF」というジャンルの枠組みを超えた、神のような小説・リングシリーズ。
コロナウイルス社会の今だからこそ様々な視点から面白みを感じられる作品だと思いますので、ぜひ読んで欲しいです。
\ 合併本もおススメ /
それでは、ごきげんよう💖📚
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