ハローこんにちは。
尾宅野リッカです。
近ごろ話題が再沸騰している、不朽の名作漫画「ベルサイユのばら」
フランス革命時代に沿った涙モノの作品です。宝塚も有名ですよね!
私はアニメ版からハマって漫画版を買ったクチなのですが、
読めば読むほどベルばら愛がヒートアップしていき、ついにはフランス史書籍や芸術誌まで買ってしまいました!
絵がキラキラしすぎているせいか「いかにも昭和の少女漫画」と思われがちですが、
実は、壮大な歴史ドラマが込められた物語 なんです!
誕生から50年を経て劇場アニメ化も決定して、人気の衰えることを知らないこの作品。
ところどころ歴史的事実も交えながらご紹介させて頂きますね♪
Contents
ベルサイユのばらってどんな漫画ですの?
1970年代に「週刊マーガレット」に掲載された作品です。
舞台は中世のフランスで、歴史上の真実にフィクションがうまく溶け込んだストーリーとなっております。
大波乱のフランス革命時代を生きた人物たちが繰り広げるドラマに魅了されましたとも😭
オスカル様もマリーアントワネットもそれぞれ悲しい恋の結末を迎えるのですが、描かれ方が愛おしくて、本気で泣けます。
(↑ 好きすぎてネット予約したファンブック)
連載終了後も宝塚で人気が受け継がれたり、海外でも翻訳されて広がったりと、異常なまでの社会現象を巻き起こした超大作✨
なんと、ベルサイユ宮殿の売店でも並んでいたらしいです!
絵も煌びやかで、中世ヨーロッパのロマンに溢れていますよね。昭和を思わせる白目のシーンなんかも好きです。
読むと自然とフランス史に興味を持つようになるので、世界史の成績アップになるかもです(ˊᗜˋ*)✧*。
主人公はオスカル様とマリーアントワネット
アニメ版ではほぼオスカル様だけが主人公ですが、漫画版ではオスカル様とマリーアントワネットの2人が主人公になっています。
オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ
架空の人物ではありますが、言わずとも知れた男装ヒロインです。
モデルは男性で、フランス革命のときに市民側についた衛兵隊長だそうです。
子供が女しか生まれない貴族・ジャルジェ家の父親に「息子として」の人生を強要され、男として育てられます。
剣術・音楽・勉学いずれも優秀なイケメン美女に成長し、女性でありながらもフランスの近衛兵の指揮官になります。
その美しさと凛々しさゆえ、舞踏会の貴婦人から成人男性までもが虜に・・・💓
感受性豊かで慈悲深く、貴族の枠組みにとらわれない自由な思想の持ち主です。
マリー・アントワネット
オーストリアの女帝・マリアテレジアの末っ子として生まれます。
14歳でオーストリアとフランスの政略結婚でルイ16世のもとに嫁ぎ、18歳でフランスの王女になります。
小さい頃からおてんばで自分の感情に素直すぎるところがありますが、人を包み込むような朗らかさがあって、とても愛らしい女性です💖
(歴史上では「派手好き」「浪費家」と言われがちですが、ダメッ子から立派な王女へ成長していったのもまた事実なので、先入観なしで温かく見守ってあげて欲しいです)
護衛のオスカル様とは対照的ですが、オスカル様と多くの時間を共有しながら親睦を深めていき、いつしか大親友になります。
ベルばらの内容と読みどころをご紹介。考察多め
歴史的事実も交えてご説明します。
なお、歴史の事実確認にはこちらのフランス革命モン書籍を参考にしました。
歴史音痴でもスラスラ読める本です。ベルばらと併せて読むと理解が深まりますよ!
オスカル様とアンドレの恋愛
もう、オスカル様!どうしてアンドレの魅力にずっと気づかなかったの!?
と思う読者は私だけではないはずです💦
アンドレは平民ながらも幼少期からのオスカル様の付添人で、戦友でもあったんですよね。
正義心の強さゆえにたまに無鉄砲になってしまうオスカル様は、アンドレから止められることによって最悪の事態を逃れることもしばしばでした。
若い頃のアンドレはモブキャラでしたが、大人になってある事件に関わるあたりからイケメン度が急激に加速します✨
フランス革命の波乱に乗じて共に困難に立ち向かい、距離を縮め合っていく2人。
アンドレは不運にも片目を負傷して後に失明してしまいますが、そんな時に彼はオスカル様にこう言います。
これが・・・おまえの目でなくて・・・よかった・・・
この言葉マジ泣いたし (´;ω;`) こんなこと本当に愛している人にしか言えませんよね。
実はオスカル様は数々のイケメンから好意を寄せられていたのですが、選んだのは「いつも隣にいる人」だったので、オスカル様命のオタクもガッカリしなかったと思います♪
アントワネットとフェルゼンの恋愛
アントワネットが18歳の時にお忍びで参加した夜の仮面舞踏会で、運命の出会いをします。
お相手はスウェーデンの貴公子・フェルゼン。
出会いのシチュエーションからしてロマンチックだったので、オスカル様&アンドレの恋愛よりもドキドキ度が強めです(なんて言ったら非難されるかもですが)
アントワネットは一国の王女であるがために決して結ばれない、叶うことのない恋。
「愛は苦しい」というのがよく分かりました😭
フェルゼンは「自分の存在はアントワネット様の為にならない」と考えてフランスから何度か離れるんですけど、それでもアントワネットが好きだという気持ちを抑えられずにフランスに戻ってきます。
こういうパターンはまぁ、恋は盲目ですもんね・・・。
この2人を見ていて、自由な恋愛ができる現代がどれだけ幸せなのかと考えさせられました。
アントワネットとデュバリー夫人の宮廷内冷戦
これも歴史的事実です!
アントワネットが王太子妃としてフランスに迎えられた第1巻から早くも、雲行きの怪しい展開が・・・
当時の国王ルイ15世(=ルイ16世のお爺様)のめかけのデュバリー夫人と敵対関係になります。
デュバリー夫人は元娼婦なので、次期王女としての意識が高いアントアネットは「元娼婦が宮廷で我がモノ顔をするなんて汚らわしい!」ってなり、
そんな態度を全面に出されたデュバリー夫人はもちろん怒りだした、という下りです。
(デュバリー夫人を良く思わない叔母たちの計らいもあったそうですが)
2人の戦い方は「挨拶する・しない」だったんですけど、そういう「しきたり」に従った女の揉め事ってどこにでもあるんだな~と思いました。
明日は我が身・・・かもですね・・・。
王室に泥を塗った「首飾り事件」
「首飾り事件」は歴史上でもそこそこ有名な詐欺事件ですが、私にとって衝撃でした。
ジャンヌという女詐欺師が高額な首飾り(約250憶円!)をアントワネットの親友と偽って、商人から騙し取った事件です。
彼女は逮捕されますが、裁判で「黒幕はアントワネットだ」と大嘘トークをして、国民の心をうまく掴んだんです。
この事件から生まれた誤解が、国民の怒りの矛先をさらにアントワネットに向かわせたんだとか。
なお、歴史上ではジャンヌを牢屋から脱獄させた人物は未だに不明らしいです。
中世のヨーロッパの謎ってちょっとカッコいいですね!
ジャンヌのその後の死に方は歴史上と漫画とアニメでそれぞれ違うのですが、どれも意味深ですよ~
フランスの激動で揺れ動いていく2人の主人公
貴族のドレスや館はとても華やかですが、平民にスポットライトが当たると絵調がゴロっと変わります。
オスカル様が平民と触れ合う中で浮き彫りになっていくフランスの貧困状態が、酷すぎる・・・。当時は食べ物どころか靴を買うお金もなくて裸足で生活していたなんて。
オスカル様は、平民の生活を知っていくうちに貴族である自分自身に疑問を感じるようになり、エリートの「近衛兵連隊長」を辞めて新たな道を進みます。
やがて国のために戦い、美しく散ります。
一方、国民の間で「赤字女王」と非難され忌み嫌われたマリーアントワネット。
贅沢や賭博で無駄遣いをしたことは紛れもない事実なんですが、母となってからは贅沢を控えて賭博も辞めたりと、徐々に変わっていくんです。
この「やらかして痛い目みて成長していく姿」が、とても人間らしい。
(よく考えたら王女になった時期が早すぎたんですよね・・・18歳なんて誰だって失敗を繰り返すお年頃じゃないですか)
最終巻で処刑される頃には一人前の王妃になっていました。逃亡なんていくらでもできたはずのに。
時代を受け入れ、フランス王女として死の運命と向き合い、断頭台で美しく散ったのです。
初めて漫画版を読んだ時はカッコいいオスカル様に夢中で「オスカル様に比べてアントワネットは何て未熟なんだ💧」と思っていたのですが、
2回目に読んだ時は、良くも悪くも人間らしいアントワネットの方に目がいっちゃいました(´- `*)
ちなみに芸術新潮という芸術史で作者の池田理代子先生のインタビューがあるんですけど、
先生の理想のキャラはオスカル様で、高校生時代から「この人を描いてみたい」と思っていたキャラはアントワネットだそうです。
↑ オーディブルで池田先生の講義を聞くことができます。約70分ですが、先生の知るアントワネットが収録されていてとても面白かったです。
地味な見どころ:実は良心的なルイ16世
アントワネットが目立ちすぎてて影の薄かった国王・ルイ16世。
(歴史書にも綴られていますが)実際はとてもいい王様で、国民からすごく慕われていたそうです。
趣味は狩り・読書・錠前作りで、いつも地味な洋服を着ていて倹約家だったんだとか。
漫画ではトロくて優柔不断なキャラに描かれていましたが、処刑された場面で残した言葉は
わたしの国民たちよ わたしは罪なくして死んでゆく しかしわたしを殺そうとする者たちをわたしは許そう わたしの血が祖国フランスの幸福の礎(いしずえ)とならんことを!!
って、超かっこいい王様ですよねーーー!!😭
池田先生も芸術新潮で「結婚するならルイ16世」と、彼の人間性を絶賛されています。
女性の恋するイケメンとは程遠いですが、落ち着いていて味のある王様です❣
アニメ版と漫画版の違いは?
これは友人にたまに聞かれるのですが、アニメ版と漫画版ではあまり大きな違いはありません。
言うのであれば、アニメ版はギャグ描写が無くて漫画版より重い気がします。
でもアニメ版は白目が無いのが残念です。
アニメオリジナルの展開もところどころあるんですけど、オスカル様が敵に襲われる回数が多くてハラハラします。
そのぶんオスカル様の剣術シーンがたくさん拝めるんですけどね😍
なお、アニメ版はU-NEXT (※)とdアニメストアとhulu で見放題の対象になっています。
是非見てみて下さい💝
ベルばらの続編&外伝もご紹介
あまり知られていないですが、マーガレット連載後も続編や外伝が多数出ています。ひとつひとつ見ていきましょう。
ベルサイユのばら外伝 黒衣の伯爵夫人
俗にいう「特別編」です。
本編では登場しないオスカル様の姪のル・ルーというお茶目な子が出てきます。
ストーリーは森のお城で吸血鬼が出るという、ちょっと恐い童話のような設定になっています。全1巻です。
ベルサイユのばら外伝
ショートストーリー集です。こちらも本編とは関係なしです。
ル・ルーちゃんがほとんど主人公で探偵のような活躍をするので、いつものベルばらとは違う感じがします。
ほっこり系の話もあればホラー調のお話もあり。全2巻です。
ベルサイユのばら エピソード編
ファン待望の「40年ぶりの新刊」という位置づけで、完全にベルばらオタク向けです。
池田先生がマーガレット連載中に描ききれずに40年間頭の中に温めていたエピソードが綴られています。
最終巻のフェルゼンの死を持って、本当の意味での「ベルサイユのばらの最終回」となります。
全4巻ですが、池田先生の体力が許す限りもっと出るかも・・!?
皇帝ナポレオン
現在読んでいます。
ベルばらのフランス革命のその後のお話。主人公はナポレオンになるものの、物語のバトンはしっかり受け継がれています。
もはや少女漫画要素はほとんど無く、ベルばらよりずっと現実的です。
エジプト遠征とか暑苦しい軍事描写がリアルすぎて「ベルばらの夢はどこへ行ってしまったの?」と最初はショックでしたが、ナポレオンはナポレオンでなかなか面白いです😆
時代を超えてベルばらのファンになりすぎたオタク女から、最後に
以上。
老若男女国内外問わず、今でも社会的に大きな評価を受けている「ベルサイユのばら」のご紹介でした💝
2人の主人公が美しく咲いて美しく散るドラマが詰まっているんです!
愛の苦しさが分かったし、フランス史も知ることができたし、ロマンチックだし。
あと、記事内では触れませんでしたが、革命から「国のため=家族のため」という発見もできましたよ。
2022年9月17日に開催される「ベルサイユのばら展」もすごく楽しみですね✧(✪д✪)✧
【追記】ベルばら展行って来ました!
それでは、ごきげんよう🌹🏰