ハローこんにちは。
尾宅野リッカです。
婚活探偵 というドラマはご存じですか?
BSテレ東で放送されていた少しマイナーなドラマですが、個人的に内容が面白くてツボだったので、小説(↓)まで買って読んでしまいました。
ハードボイルド探偵が婚活に挑み、悪戦苦闘する物語です!
婚活のノウハウ本なんかは世にたくさん出ていますけれども、一人の主人公の婚活体験型の小説って珍しいですよね💦
この作品に出会うまでは
と思っていましたが・・・
そんな私にとっても色々と勉強になった、貴重な作品です‼
フィクションでありながら話にとても具体性があるんですよ~😲
というわけで、推しのこの1冊をご紹介させて頂きますね(ノゝ∀・)~☆
ネタバレ含む部分は(ネタバレあり)って目次に書いておきます↓↓
Contents
小説「婚活探偵」ってどんな作品ですの?
2016年~2017年に雑誌掲載されていた作品で、2020年に文庫化されました。
凄腕アラフォー探偵の黒崎竜次(通称・黒さん)が婚活でパートナー探しをするという、風変わりな物語です。
黒さんの詳しいステータスはこちら。
- 元刑事の探偵
- 後輩からハードボイルドと慕われている
- 強面でヘビースモーカー
- 41歳で恋愛経験なし
- LINEの使い方すら知らないほど時代に疎い
公園のブランコで猫に語りかけたり「ケツの青いガキ」とか古臭い言い回しをよく使うので、読んでて昔のシアターの世界に迷い込んだ感覚に陥りました(笑)🕵
そんな黒さんですが、街で結婚相談所の広告を見ていくうちに密かに結婚願望が大きくなっていきます。
――このまま、一生独り身じゃないのか。
そしてとあるストーカー事件で犯人の姿を自分の将来像に重ねたことをきっかけに、結婚相談所に入会します。
普段ハードボイルドを気取っているものの、男臭い職場育ちで恋愛に関しては全くの草食系なので
婚活で出会う女性は目次のとおり、こんな方々です。
- 第一話 嗅ぐ女
- 第二話 頼む女
- 第三話 赤い女
- 第四話 仮面の女
- 第五話 暴く女
- 第六話 切れない女
- 第七話 私が愛した女
(参照元:本書の目次)
こうして一覧で見るとロクでもない女性ばかりに見えますが・・・
実際はこの中で悪人女性は1人、厄介者女性が1人だけです。
なお物語は完全に婚活が主体ではなく、本業の探偵の話もちゃんと入っていますよ。浮気調査とか素行調査が中心ですけれども。
比率的には、婚活:探偵業=7:3というところです。
作者は「不協和音」や「完全犯罪」などのミステリー作品を多く手掛けた大門剛明さんです。
ご自身も婚活を経験していて、なんと婚活探偵の連載終了後にパートナーと出会って結婚されたそう🌸
婚活探偵を読んだ感想・考察など
細切れになってしまいますが、書かせて頂きますね。
婚活と探偵業の連動が絶妙
主人公・黒さんは婚活に奮闘するも、本業の探偵業も決して厳かにしません。
婚活と探偵業が良くも悪くも何かしら絡み合いながらストーリーが進んでいきます。
例えば、
- お見合い相手に見栄を張るために取った行動で事件解決の糸口を掴んだり
- 仕事で身につけた変なテクニックを使ってデートのピンチを凌いだり
- 整形の調査を扱ううちにお見合い相手まで整形と疑ってしまったり
などなど。
全体を通して見ると、探偵・刑事の職で鍛えた思考が働きすぎて相手に物凄い勘違いをして突っ走って自滅するパターンが多かったです。
浮気調査で不倫を巧みにやりくりしている男性とモテない自分を比べて嫉妬するシーンはすごく人間らしくて、何とも奥ゆかしかったです🤔
婚活は体力勝負だってっことが痛いくらい学べる
「落とされて当然」くらいの鉄のメンタルを持たないと婚活はダメっぽいですね。
黒さんは最初のお見合い相手に行きつくまでにネット経由で30回断られ、4人目に行きつくまでには45回も断られてました。
黒さんは月収は高い方ではないけれども貯金は2,000万円超えてるし身長は180cmあるしそんな悪い条件の男性では無いと思うのですが、いざ交際に発展すると
- LINEやお食事で脈ありだったのに些細な理由でお断りされたり
- 酷いときはディズニーデートの1時間後にバッサリ切られたり
失恋ってただでさえ辛いのに立て続けでお金まで消えていくとか自分には無理―!!
って思いました。
それでも婚活は
継続が必要
(↑黒さんの婚活アドバイザーのまどかさんのお言葉です)
まどかさんが言うには、婚活はダイエットに似ていて、努力を重ねても体重はなかなか変わらないけどある時一気に落ちる、つまり2人の距離もいきなり縮まることもあるそうです。
と、そっと思っておきましょう💡
婚活業界の知識・常識がところどころ得られる
お恥ずかしながら、1つの結婚相談所の検索システムが全国の相談所と繋がっていることをドラマ版で初めて知りました。
相談所を通したお見合いは、申し込んだ側が相手の住んでる地域へ行く決まりもあるのだとか(コロナ時代だとどうなっているのかは分からないですけど)
と、このように、家に閉じこもってるだけでは知りえなかった情報も得られて大変勉強になりました!!😀
自分的にマジかよと思ったのは
婚活においては二股はある意味必然
だそうです。
世の婚活人は週5日働きながら複数人同時交際とかよくそんな器用な事ができるな・・・と思ってしまいました。
結局は体力勝負なんですね・・・。
ダジャレがおっさん臭い
オヤジギャグがけっこう出てきます。
ギャグの元ネタも古いです。
作者の大門さんは70年代生まれなので同世代の方にはスッと入ってくると思うのですが、私にはネタの意味が分からなくてネットで調べないと理解不能な部分がありました。
と突っ込みたくなりましたね(笑)
ところどころ出てくる下ネタの使い方すら古かったり・・・💦
さっきから古い古いばかり言って失礼ですね。すみません。
でもなぜかあまり嫌な感じはしませんでしたよ!!
これは、黒さんの人柄の良さが古臭さを凌いでいるからだと思っています( • ̀ω•́ )✧
(ネタバレあり)1番面白かった回はカープ女子が出てくる「赤い女」
広島東洋カープファンの穂乃果とのお見合いの場で、黒さんまでカープファンだと相手に勘違いされてしまいます。
自分は本当は巨人ファンだと明かせぬままカープファンを装い、ユニフォームまで購入し、巨人vsカープの野球観戦に行くハメになります。
宿敵カープの応援をし通すとかただでさえキツい(゚Д゚;)!!
のですが、応援席で職場の後輩の姿を目撃してしまいます。
穂乃果に怪しまれないように気配りしながら後輩に見つからないよう逃げつつ、カープの応援も演じるという、超最悪の事態に・・・。
野球の実況とともにハラハラしました(野球好きな人は楽しめるかもですけど)💦
あいにく観戦中に穂乃果にフラれます。
なおフラれたのは巨人ファンがバレたことではなく、全く的外れなことが原因だったと後日判明します。
非は完全に穂乃果にあるのですが、私は
と読んでて思いました💧
厳しくも優しい婚活アドバイザーの城戸まどかさんが素敵すぎ
黒さんの入会した結婚相談所の担当アドバイザーは、城戸まどかさんという20代後半の女性。
美人だけど厳しいところは厳しく、黒さんの初面談日の模擬デートではこんな採点結果を下します。
――あなたの結婚偏差値は26です
ひとことで言って、臭いんです
会話については
刑事さんの尋問のようになってしまっています
ひぇぇ~ 耳が、耳が痛いよぉぉぉ(((;゚Д゚)))💦
でも実は、婚活人をプロデューサーのように手厚くバックアップしてれる、とても頼もしい方です。
ガラケーユーザーだった黒さんにLINEの使い方をイチから教えたり、服選びに付き合ってファッションアドバイスをくれたりと、とても親身でした。
黒さんがお見合いで失敗するたびに必ず敗因を解説してくれて、その後は必ず「あなたには結婚する資格がある」などの優しい言葉で背中を押してくれます。
婚活って酷い面も多分にあります。二股、三股は当たり前。収入や容姿で人の価値を値踏みし、百万ドルの笑顔の直後に相手を切り捨てて……でも黒崎さんは常にお相手のことを考えてた。
まどかさんの言葉は、思わず拾い集めたくなります✨
「会話で尋問のようになってはいけない」とか「ネガティブ発言がダメ」とか、厳しいご助言の中にもエッセンスが散りばめられているので、なかなか参考になりました。
迎える結末は・・・?
最終回の表題は「私が愛した女」です。
愛した女というのはだいたいご察しどおりですが、最後のシーンは
って凄くドキドキしました。こっちまで誤解しちゃいましたね😅
肝心の結末ははっきりはしないのですが、「この先に幸せな未来が待ち受けてるんだろうな」と思わせてくれます。
ハッピーフラグでこちらもハッピーな気持ちになれますよ~★
黒さんは転んでばかりの婚活を通して自分の本当の気持ちを察することができたし、何だかんだ社交的になれたし、
長くて辛い経験は全くムダではなかったんだなって思えました!!
婚活探偵のドラマ版はどんな作品?小説版との違いは?
ドラマ版(2022年1月~2月放送)は小説版と80%くらい同じですね。
大筋はズレていませんが、細かいところに多少違いはあります。
一番大きな“違い”は、最終回の誤解解決シーンに出るキーパーソンが異なる点でしょう😲
それはそうと、ドラマ版は全6話で打ち切られて大変ショックでした。
しかも小説版の推し回の「赤い女」だけが未収録でさらにショックです💔
(野球会場をロケに使うのは感染リスク的にも予算的にも難しかったのでしょうか・・・)
ドラマオリジナル回なんかも作ってほしかったな~って思っています。
キャスティングについては、主人公の黒さんは小説版だと強面なので、向井理さん(爽やかイケメン)とは少し違うかな・・・と思いました。
でも、向井さんの演技で「イケメンなのに女性からモテない残念感」みたいなのが嫌味なく表現されていたので、これはこれで良いなと思っています💡
あと、アドバイザーのまどかさん役は成海璃子さんなのですが、小説のイメージのまんまです。
橋本マナミさんはバーテンダー役がすごく似合ってましたし、お見合い相手のゲストは「最近見ないな~」って女優さんが出てきて地味にテンション上がりました!
※ 本ページの情報は2024年1月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
差別的表現については個人的には気にならないレベル
差別的表現について、最初のページの「お断り」にこんな表記があります。
作品によっては差別的表現と受け取られかねない表現が使用されている場合もありますが、作品の書かれた当時の事情を考慮し、原文のとおり掲出した個所があります。あらかじめご了承下さい。
と思うのは私だけでしょうか?
最後まで読みましたが、気になる差別的表現は特にありませんでしたよ(あくまで個人的にはですけど)
むしろもっとキツいこと書いてあるかと思ってたくらいです😅
差別に近い表現があるのだとすれば、婚活パーティーでの格差か、もしくは相談所に乗り込んできた婚活クレーマーが低年収男性を侮辱するシーンくらいでしょうね。
婚活探偵の小説でストーリーを楽しみつつ婚活を学んだオタク女から、最後に
お見合い相手の趣味に合わせてグッズに10万円かけても一瞬でフラれる黒さんを見て「婚活ってそんなモンなのー!」って最初は思いましたが、
ハッピーフラグを感じる最終回になって本当に良かったです⸜( ´ ꒳ ` )⸝
不透明すぎる結婚ワールドも少し知こともできて、大変参考になりました✨
あとこれは話のメインではないんですけど、浮気調査の依頼人女優が旦那の不倫相手にあの後どう復讐したのかは少し気になりました。
とりあえず「自分が結婚相談所に向いてるか向いてないか」の判断材料の一つになるかもしれない小説です。
そしてもし私も婚活相談所を利用する日が来たら、参考書として必ず読み返すつもりでいます♪
それでは、ごきげんよう💖🔔
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